練習曲 (ハノン・リトルピシュナ) を効果的に使うこと

目標曲に合わせ、練習曲 をセレクトするときは、
最初に、曲の中で要求される技術を、書き出してみる のが基本です。
ただ楽譜を眺める だけではなく、実際に、楽譜を見て指を動かし
曲の中で要求される技術 を、メモをとりながら、書き出してみるのです。
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そして 指の訓練タイプの 練習曲集 を何冊かまとめて購入し
その中から、メモ用紙の目的に合った 練習曲 だけ 抜き出せば
『目標曲への基礎』 は、急速に身につきます。
全ての練習が目標曲に直結するように 例えば、 『即興曲90-2』(シューベルト)の練習に、オクターブの練習は不要です。 『月光第1楽章』(ベートーベン)に、素早い指の動きも不要です。 『革命のエチュード』(ショパン)に、右手の素早さも不要です。 ・ ・ このように、『練習曲』 といっても、 目標曲のタイプによって、必要な部分と、不要な部分が出てきます。 ですから、目標曲 が決まってる場合は、 『練習曲』 の 必要な部分 だけに集中し、不要な部分はカット。 全ての練習が 目標曲に直結するように します。 これは、大学受験 や 資格試験 などで 過去問を分析して、出題傾向に沿った勉強 をするのと同じ考え方です。 【一発逆転で 東大に合格する方法】 「過去問は入試直前に実力を確かめるもの」 と、本番前までとっておく人は多い。 しかし、私はまず過去問をみて、 東大入試の傾向を確かめることから始めることにした。 解くのではなく、読むのだ。 「どんな問題が」 「どんな形式で出るか」 各々の配点をチェックして その後は徹底して東大の入試問題に合わせた勉強をした。 | 引用元 …… 偏差値29から東大合格!常識破りの勉強法 ・ ・ 小学生 や 中学生の頃は、「範囲内をまんべんなく、勉強しましょう!」 と教わってきました。 でも、大人になって 資格試験に挑戦するときは、 出題形式を先に確認する なんて、当たり前ですよね? スポーツでも、同じく 特異性の原理 というのがありますよ。 【特異性の原理】
競技 に向けた強化トレーニングは
その 競技 で使われる筋肉を トレーニングすることで
最も威力を発揮します。
競技 の特徴 とトレーニングメニューを照らし合わせ
競技内容 に沿った筋肉を 重点的に強化することが大切です
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(↑ 「競技」 を 「目標曲」 と置き換えて読んでみてください) つまり、 高いレベルになってくればくるほど、 子供の頃のような 「努力勝負」 だけでなく、「効率勝負」 も重要になってきて その総合力で 勝ち負けが決まる のです。 ハノン と リトルピシュナを同時に当てる! それでは実際に 『英雄ポロネーズ』 を 例題に解説してみましょう。 使用するテキストは、『ハノン』 と 『リトルピシュナ』 の2冊。 まずは、第一段の、第1小節~第4小節までを見てください。 第1音目はいいとして、次の ピンクライン この右手は、カニの足のように、指をバラバラに動かす基礎力を要求されます。 ここに対して、直接的に効果がある練習曲は…… 『ハノン』 ★ハノン50番★ レガートの三度 | ★ハノン52番★ 〔イ長調のみ〕 | とにかく、指が動かなければ どうしようもないので、 ここはスムーズに弾けるようになるまで、地道に『ハノン』で頑張ってください。 次に、第3~4小節。緑の部分。 こちらが苦手に感じたら、今度は 『リトルピシュナ』 を当ててください。 第3~4小節は、右手と左手がバラバラなので、『ハノン』 では合わないのです。 そして、右手と左手をバラバラに動かす動きに慣れてから、 実際に 緑の部分 に戻ってみてください。 その後は、第12小節までは、似たようなことの繰り返しですから、 同じ練習曲で 応用が効きます。 次に問題となるのが 第13小節目 まずは右手から見てみましょう。 右手に直接効くのは、 なのですが、この60番は長いのですね~。 ということで、時間を半分に短縮するために、 小節の半分だけ練習しながら、先へ進んでみてください。 次に第15小節の左手。 ここは を当ててみましょう。 第17~19小節の右手は、前回出てきた
★ハノン50番★ レガートの三度 | ★ハノン52番★ 〔イ長調のみ〕 | でOKです。 このように、目標曲の特徴に合わせて練習曲をセレクトすると、 練習曲が今までと違った顔を見せるようになり、練習曲の真価が発揮されるのです。
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HANON バイエルやツェルニー、ブルグミュラーと並んで 国内で大変普及している練習曲です。 指の訓練 (基礎) のための練習曲なので、あまり 面白みはありませんが、このページで解説した 「練習番号」 は、ぜひ取り入れてみてください。 |
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LITTLE PISCHNA 近年になって、急に人気が出てきて、 多くの先生が取り入れるようになった、リトルピシュナです。 ハノンよりも練習効果が高く、ハノンよりも、 興味を持って取り組めるところが、 ピアノ学習者にも好評です。 |

シャドートレで基礎筋力UP |