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アート・オブ・ピアノ
  ヨーゼフ・ホフマン

  ロシアの大ピアニスト、
  「アントン・ルビンシュタイン」の一番弟子。

  父は指揮者兼ピアニスト。母はオペラ歌手。

  「アートオブピアノ」
  -20世紀の偉大なピアニストたち-


  このDVDの中で、語り手の若手ピアニスト
  アンデルシェフスキがホフマンを絶賛していた


    ヨーゼフ・ホフマンの奏法分析
 ・ 伸ばした指に、角度のついた手の
 ・ 角度をつけることで、力の弱く、短い小指に力を加える
 ・ 逆に人さし指の力を弱め、5本の指の音のバランスをとる


    弾くときの意識は、腕の運動を少なく、腕と肩の筋肉を柔軟にします。

    また、自然な動きが妨げられないよう、手首をやわらかく使って、
    滑らかな動きを作り上げます。

    また、音を出すときの意識は、鍵盤に指を吸い付かせながら、
    なおかつ歌うように指をすべらせます。



  ヨーゼフ・ホフマンの奏法


    鍵盤の上にゲンコツを置きます。

    手の甲の角度は、人差し指が高く、小指が低くなります。
    その角度を保って指を伸ばします。

    鍵盤についていた手首を、少しだけ浮かせてください。
    これがホフマン奏法の基本フォームです。

    椅子の高さは、腕が、ひじから鍵盤に向かって平行か、わずかに下がる
    程度に調整します。



    この写真は演奏中のワンシーンですが、指だけで弾いていないのが分かりますか?


    手の形が非常に自然で、どこも筋肉が硬直していないので、軽く鍵盤に手を乗せて
    いるだけに見えますが、実際には大きな音が出ています。

    つまり、指にほとんど負担をかけずに音が出せるフォームなのです。


    手の甲に注目してください。 角度がついています。

    写真のように、人差し指を高く、小指を低くすると人差し指側の力が弱まり、
    その分小指側に圧力が加わります。

    その結果、指ごとの不自然な音のバラつきが若干抑えられる効果があります。


    また、このフォームは、指だけで音を出しません。

    手の甲ごと、鍵盤に向けて沈めることで、どの指で弾いても音がばらつかない、
    安定した音を出すことができます。



  ヨーゼフ・ホフマンの音の出し方


    ヨーゼフ・ホフマンの音の出し方は、主に2種類。

    このフォームのまま、手の甲ごと指を沈めるか、鍵盤に触れた
    指先を手前 (自分側) に滑らせ、柔らかい音を出します。


基本的に、指は伸ばしています。
手の甲が安定した形を保っています。

腕と手の全ての動作に、ある種の丸みを
持たせます。
角ばった弾き方は、エネルギーのロスを生みます。
この写真は必要以上に指を大きくそらしています。
「陸上のモモ上げ走」のように、筋肉を大きく
使うことで基礎筋力を上げると、
音がハッキリするとともに、滑らかにもなります。  
左手小指に注目です。
小指単音で音を出すときは、このように指を
立てています。指を垂直にすれば、
手の甲からの圧力で力が増幅され、
芯の通った音を出せるので、
小指の筋力の弱さをカバーするための弾き方です。
左手の和音の弾き方です。

手首をかなり下げて、そのまま下に引っ張ることに
よって、バランスのそろった和音を
出すことができます。

曲のラスト、
和音で終結する曲などで、使えるワザです。


    この奏法に興味を持たれた方は、ぜひ 「DVDの映像」 もご覧になってください。


    当ページの解説を見ながら、
    DVDの映像 (スロー再生) でホフマンの手の動きをよく観察すると、

    「この音色を出すには、この動きなのか!」 というのがわかります。



  ホフマン奏法の注意点


    腕の運動を少なく、腕と肩の筋肉を柔軟にします。
    腕と肩の筋肉は、強い音が要求されるときのためにとっておくのです。

    椅子の高さは、腕が、ひじから鍵盤に向かって平行か、
    わずかに下がる程度に調整します。

    レガートの最も美しい音は、鍵盤の上に指を「吸い付くように、そして歌うように」
    すべらせることによって、生み出されます。
    それが「こする」にならないよう、タッチに注意します。

    親指くぐりをうまくするには、

    「親指を先に、押すべきポジションへ向けて待機させておく」

    という早めの意識が必要です。

    自然な動きが妨げられないよう、手首をやわらかく使って、
    滑らかな動きを作り上げます。

    (引用元 ピアノ奏法Q&A ヨーゼフ・ホフマン著)



  ピアニスト・ホフマンの考え方


   音符の裏にある 「行間を読む」


    音符を正確に弾いていたとしても、芸術作品の生命からはほど遠いのです。

    音符の裏にある 「行間を読む」
    ……この行間にこそ、芸術作品の塊が秘められているのです。



   自分自身の芸術的な目で、正当に評価


    作曲家本人の指示さえ、「唯一の正しい解釈」 の絶対的な権威ではないのです。
    ですから作者の考えに盲目的に縛られるのは、真理ではありません

    それより、作品そのものを、自分自身の芸術的な目で、
    正当に評価することが重要なのです。



   伝統的解釈というのは「缶詰にされた商品」


    いきいきとした力を持つには、個性的でなければなりません。
    伝統的解釈というのは 「缶詰にされた商品」 なのです。

    踏みならされた道に満足するような知的レベルではいけません
    素晴らしい技術を持っていながら、芸術家ではないピアニストもいるのです。



   最大のfと最も美しいpの対比を考える


    優れたピアニストになるのに必要なことは、ピアノという楽器の
    可能性と限界について両方知っておくこと。

    賢い演奏者は、ピアノの限界を超えようとはしません。
    できないことを楽器に求めるのではなく、出来ることの範囲内で
    完全なものを導こうとします。

    ピアノは3つの f までしか出せないのに、
    6つの f を出そうとしてはいけないのです。

    最大のfと最も美しいpの対比を考えるのです。



   考えたり計画することに時間を費やしてる?


    素人芸術家は、考えたり計画することに時間を費やさず、
    自分の弾く作品を攻撃するだけ。

    仕上がりを気に掛けることも、表現にもがき苦しむこともなく、
    ヒステリーを起こすのです。



   先入観で扱うのは間違い


    「ショパンはこう弾くべき」、「ベートーベンはこう弾くべき」と言う考え方は誤り。

    作風があるのは事実ですが、曲それぞれの性格を無視して、
    先入観で扱うのは間違いです。

    作曲家を正当に評価するというのは、彼のあらゆる作品を
    別個の一つの完成品として正当に評価するということなのです。

    芸術家は、伝統的解釈を盲目的に受け入れるのではなく、
    自分の目で発見するのです。



   指の練習課題は、せいぜい30分で結構


    練習は、続けて1時間以上やってはいけません。
    30分ごとに、5分程度の休憩をいれ再び弾いたときに
    新鮮な印象を得られるようにします。

    また、指の練習課題は、せいぜい30分で結構。
    練習曲の課題は、ウォームアップが終わったらただちにやめなさい。

    練習課題は、作品としては生ぬるいお湯にしかなりません。
    なぜ、いつまでも練習課題を続けなければいけないのですか?
    技術のための勉強は、よい作品をたくさん弾いて、
    あなた自身の課題を作り上げなさい。



   型にはまった練習はしないように


    型にはまった練習はしないようにします。このような練習は、自発性を殺します。

    毎日同じ練習を同じように繰り返せば技術は上がるでしょうが、
    自発性は確実に失われていきます。それは、芸術を害します。




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