音楽を言葉から表現しようとしてませんか?

今現在、先生からピアノを習っている方は、
「たっぷり歌いあげて」 とか 「水を含んだような音で」
のように、音楽の表現は、
先生から言葉で指示を受けていると思います。
しかしこの 「言葉」 に関してですが・・・・
言われた言葉をそのまま受け取って、言葉の裏にある
「本来の音のイメージ」 を想像しようとせず
先生が言っていた言葉だけ、追いかけていませんか?
えっ? ピアノの表現って 「言葉」 じゃないのですか?
言葉は単なる 「伝達手段」 です!
ピアノレッスンで先生の前で弾いたとき、
先生の持っている 「完成形のイメージ」 に対して
自分の弾き方がおかしな方向にズレていたら、
「ここはもっと、このように弾いてください!」 と言われますよね?
・ ・
そのとき、理系の先生 なら
「左手は右手より25%弱くして」 とか、 「たとえば、このボリュームの変化を、数値に直すと・・・・・・」
という表現になります。
逆に、芸術家肌の先生 なら、
同じことを、もっと感覚的な言葉で説明するようになるので
先生の言葉も芸術的な表現になり
「左手は、あたたかい日差しのような感じで!」 とか、
ボリューム変化は
「坂の上から、透明な水がサラサラ流れる感じ」
このような表現になります。
言葉だけ聞いてると、なんとなく、芸術家肌の先生 のほうが
うまくなれそうな気になりますが
実際は、言われてる内容は、どちらも変わらないのです。
えっ? そうなのですか?
言われている内容そのものは
「今の弾き方を、このように修正してね!」 と、言われているだけで
その表現の仕方が人それぞれ違うだけ。
それなのに、いつの間にか自分が曲の表現を考えるときも
「音楽の表現を、言葉で考えること」 が第一になってしまって
「手段」 と 「目的」 が入れ替わってませんか?
「言葉」 だけで考えると、逆効果
先生の言った言葉を、そのまま受け取るのではなく、言われた言葉から
「先生はきっと、頭の中でこんな演奏の音をイメージしてるんだな!」
と補完しながら話を聞くのです。
そうでないと、先生の言葉を追うだけでは
本来の音のイメージが見えなくなってしまいます。
いきなり 「言葉」 だけ追いかけると、何が起こるのか?
「水が流れるようにって、具体的にどう弾いたらいいか分からない」 と
さらに混乱を招いて 逆効果 になってしまうのです。
だから、「水が流れるようにって、なんとなくこんな感じだろうか?」
と、よくわからない、ぼやけた状態のまま練習していくと
その演奏を聴いた先生は、浮かない顔。
「う~ん・・・」 (数秒間沈黙)
でも、前回言った言葉そのものは守ってるし、別な言い方も思い浮かばないので
できてはいないけど、その部分を直すことは諦めて、
「じゃあ、先に進みましょう!」 となってしまう。
言葉の先にある、演奏のイメージはどんな音なのか?
先生の言った言葉を、そのまま受け取るだけで
融通が利かないのはダメなのです。
先生の言葉の先 にある、演奏のイメージはどんな音なのか?
物事には順番があります。
1. 自分なりの完成形のイメージ 2. 先生から見たら、まだ足りない → 言葉で修正の指示 3. 家の練習で修正! |
自分なりの完成形のイメージ
「1番」 があるから 「2番」 で指摘されることが理解できるのに
「1番」 が全くない状態の人が
いきなり 「2番」 からスタートしてしまうから、見当違いの
ただ言われたことを守ればいいのかな?
という失敗例に、はまりやすくなるのです。だから……
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こんなにたくさん、楽譜に書かれてしまって、大変なことになった! 書かれているから守らないと! 次回までに、全部出来るようになってないと! |
いつの間にか 「受けた注意を守ること」 のみが目標になってしまって
言われたことを、言われたとおりにやるだけの
丸呑みイエッサー状態になってしまいます。
・ ・
言葉を守るだけではダメなのです。その先のイメージを常に持ってないと。
確かに、一番大事なことを忘れてました!
言葉を守るだけではダメなのです。その先のイメージを常に持ってないと。
この言葉にはすごくドキッとしました。
自分の弾きたいイメージって、
自分自身でも言葉で説明するのは難しいことも多いのに
いつの間にか、表現を全て言葉で考えていた ように思います。
子供の頃から、怒られながらレッスンを受けていたせいか、
「できなかったところ」 ばかり気にして、どんどん演奏が小さくなってしまう
後ろ向きな弾き方ばかりしていたから、
「言われたことを守ること」 しか考えられなくなってたのだと思います。

ピアノ上級者の表現テクニック (プロみたいに弾きたい方へ)
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