「♯」や「♭」の多い調への対策 

突然ですが、音楽の教科書に 「ハニホヘトイロ」 という
へんな呪文があったのを おぼえてますか?

本来はあれって、 「イロハニホヘト」 のはずですよね?
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私も、子供の頃、おかしいと思ってました!
「ハニホヘトイロ」 って なんなのですか? |
みなさんが元々知ってる 「ドレミファソラシ」
実はあれ、日本語ではなく、イタリア語 の読み方なんです。
それが英語だと 「ABCDEFG」 になるのですが・・・
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(← ラ が起点)
この英語読みの 「ABCDEFG」 の読み方に対して、
明治時代の人が うっかり 「イロハニホヘト」 と当ててしまったのですね。
(同じ、7文字だから)
だから、「Aメジャー」 とか 「イ長調」 といった言葉を聞いたことあるでしょう?
「Cメジャー」 とは、その文字列から推測できるとおり
のことなのですが・・・・
それを日本語に直したときに…… こうなった。
例えば、「ソ」 を起点に、 ドレミファソラシド の音に聞こえるように
順番通り 鍵盤を押す (移調) と、どうなるでしょう?
全オクターブにわたって、なぜか 「ファ♯」 だけ黒鍵になりませんか?
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それが、 「ト」 で始まる長調 …… 『ト長調』 のことなのです。
#や♭の数によって、変化するキーは常に同じ
楽譜を読むようになると、「♯」 や 「♭」 の多い調が難しく感じますが
実は、シャープ や フラットの数 によって、黒鍵に変化するキーは、
常に決まっています。
早見表 
♯1個のときは…… ファ
♯2個のときは…… ファ・ド
♯3個のときは…… ファ・ド・ソ
♯4個のときは…… ファ・ド・ソ・レ
♯5個のときは…… ファ・ド・ソ・レ・ラ |
♭1個のときは…… シ
♭2個のときは…… シ・ミ
♭3個のときは…… シ・ミ・ラ
♭4個のときは…… シ・ミ・ラ・レ
♭5個のときは…… シ・ミ・ラ・レ・ソ |
「長調」 ・ 「短調」 関係なく、
#や♭の数によって、変化するキーは常に同じ なのです。
例えば、フラットが3つ のときは、必ず 「シ・ミ・ラ」 が黒鍵に変わり
それ以外の組み合わせになることは ありません。
だから、この 一覧表 を最初に覚えてしまって、
頭で考えなくても 反射的に、
「ああ、フラットが3つだから、シ・ミ・ラ が黒鍵か」
と、分かるようになれば、
音部記号の脇に、シャープやフラットが並んできても、あまり怖くなくなります。
ただ、知識として覚えるだけでは、まだ足りませんよ。
理想は、#♭の数を見ただけで、頭の中で何も考えなくても、
指先が正確に白鍵と黒鍵を打ち分けられる! となることですから
鍵盤の上で、白黒を直接 指に覚えさせる練習 が必要なのです。
【練習】 鍵盤上で、白黒を直接 指に覚えさせる
まずは、右手だけ を使って、白鍵の「ド」 を起点に、
ヘ長調・ニ短調 |
ドレミファソラシド (上がる)
ドシラソファミレド (下がる) |
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12312345 |
と 弾いてみましょう。
そのときの、指の動きは 下の画像 です。
の 「変則スケール」 の練習

この音を 「♭1」の調 で弾くときは、本当は
ファ・ソ・ラ・シ♭・ド・レ・ミ・ファ (上がる)
ファ・ミ・レ・ド・シ♭・ラ・ソ・ファ (下がる)
と弾くのが、教科書的なやり方 ですが、ここをあえて、「ド」 の音からスタート。
でも、それだと、音が変になりませんか?
確かに、音は変になります。
でも、今やっている練習は、「♭1」 のスケールの練習ではなく、
鍵盤上で、白黒を直接 指に覚えさせること ですから
ここはあえて 「ド」 の音 からスタートさせたほうが、
「♭1」 のときに、どのキーが黒鍵に変化するのか 覚えやすい のです。
ここでは 「シ」 の時だけ 黒鍵に変化してますが、
この 「シ」 が来たときだけ、考えるより先に、黒鍵に指が動くよう、
それぞれの調では、どことどこが、黒鍵になるのか、
指の動きを目でジーっと追いながら、早い指の動きで何度も繰り返すのです。
「白黒の組み合わせ」 のパターン化ですね!

回数の目安は、10往復くらいですが、
指を動かしているときは、
このイラストのように、同時にコチラのルールも追加します!
【指と一緒に ドレミ と発音】
指を動かしながら、心の声で一緒に「ドレミ……」と発音する。
すると 「ソ」 っていってるときは、白なのか黒なのか?
「シ」 っていってるときは、白なのか黒なのか?
だんだん指に の時の 白黒の条件がはまってくる。 |
心の声で一緒に 「ドレミ……」 と発音しながら指を動かすことで、
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そういえば、「ファ」 って言ってるときは、白鍵だぞ!
「シ」 って言ってるときは、黒鍵だぞ! |
何度か繰り返すうちに、
自然に の時の 「白黒の組み合わせ」 がパターン化されて
自分の中に入ってくるのです!
一緒にドレミと言いながら、10往復して、
「考えなくても、白黒の条件が指にスッと入ってきた」 という感覚が得られれば合格!
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ちなみに、スタートの音の 「ド」 が黒鍵になる場合は、
「ド#」 を基準にスタートすることになります。
ト長・ホ短 |
ニ長・ロ短 |
イ長・嬰ヘ短 |
ホ長・嬰ハ短 |
ロ長・嬰ト短 |
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12341234 |
41231234 |
31234123 |
34123123 |
23123412 |
この 【変則スケール の練習】 を、
練習前のウォーミングアップ時に、毎回繰り返せば、
知らず知らずのうちに、シャープや フラット の数を見ただけで、
どこが黒鍵になるか、頭で考えなくても、反射的に指が動くようになってくるのです。
ミスの原因 を対策してますか?
今まで が苦手だった人は、
毎回弾くたびに 白黒を頭で考えていた のです! (白黒リアルタイム計算)
だから、演奏ミス が多かった!
そのミスを嫌って、あらかじめ該当音符に O をつけたりすると、
確かにミスは減りますが、それは 「実力アップ」 にはつながりません。
目の前の 「問題点」 に 印をつけて逃げてるだけですから!
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ですから、新たな曲を弾く前には 必ず、
「今から弾く曲は、♭3だよ!」 と指に教えるために
【変則スケール の練習】
……ちょっとでも不安なときは、弾く前に必ず10往復 |

音符がスラスラ読めるようになりたい |